アイツ限定




「いくぞ。」



低い声で、村上があたしにそういうので、あたしはおとなしく村上の背中についていく。



「なんで、あんなこと勝手に決めるわけ!?」



あたしは、速足で歩く村上の背中を必死に追う。

ってか、体育館から離れてどこ行くの!?



「ムカついたし。一発かましてやろうと思っただけ。」



「勝算は?」



「わかんね。とりあえず着替えようぜ。」



着いた先は男女の更衣室。



「着替え終わったら、さっきの体育館の2階集合な。」



そういって、男子更衣室に入って行く村上。


……なんてマイペースな奴。


そんなことを思いながら、あたしも女子更衣室に入って、ささっと着替えてバッシュを履く。

前は、学校のうち履きだったけど、やっぱりバッシュの方がしっくりくる。

よかった。捨ててなくて。


まんまと、村上のペースに乗せられているあたしは、村上よりも早くに着替え終わったようで、体育館の2階には村上の姿はなかった。


やっぱり、2階は熱気がたまってムシムシしている。

立っているだけで汗が出てくる。

あたしは、地べたに座り込んで、軽くストレッチをする。