アイツ限定


女だから……か……。

何度恨んだかわからない。

自分が女として生まれてきたことに。

力はない。

体力もない。

どれだけ努力したって、男には女の力は及ばない。



だけど、今はよかったって思ってる。

村上と出会えたから。

アイツはあたしにたくさんのことを教えてくれた。

人を信じるということ。

人を愛するということ。

モノクロだったあたしの世界にあいつは色を付けてくれた。



だから今あたしは胸を張って言える。



「わかった。でもあたしは逃げないよ。ちゃんと向き合うから。

もうあたし男から逃げないから。」



優兄と啓兄は一瞬驚いた顔をしたけど、そのあとは、ちゃんと笑ってくれた。




あたしはちゃんと前を向けている。


もう、過去なんて引きずらない。


未来へとゆっくりとあたしは歩いてゆくんだ。


大丈夫、あたしの周りにはちゃんとあたしを支えてくれる人がいる。







もう、怖がる必要はないんだ。