アイツ限定




「じゃ、俺、もういくわ。」



そういって、村上はあたしに背を向けて歩き出した。


あたしはその後ろ姿を消えるまで見送った。

村上の後ろ姿。

やっぱり、安心した。


「お前…本当に大丈夫か?」



優兄が、啓兄を押しのけてあたしの顔を身を縮めて覗き込んでくる。



「大丈夫。男3人ぶっ飛ばしたから。」



「……そ、そうか。」



優兄は、少し驚いたようで、はぁ…と息を吐いた。



「まぁ、とにかくここは冷えるから中に入ろう。夕食マリくってねぇだろ?」



啓兄は、あたしの頭を優しく撫でて、家へと入る。

あたしと優兄もそれに続いた。


リビングに入ると、3人分の夕食が机の上に並べてあった。


……優兄と啓兄……あたしのこと待っててくれたんだ。

そんなことで、ジーンと胸が熱くなるあたし。



「マリ、手洗ってこい。優!お前は、味噌汁でもよそえ。」



家ではお母さん的存在の啓兄。


それに従うあたしと優兄。