アイツ限定




「重いとかいうなよ。」



そういって、あたしはそっと村上の背中にあたしの体重を預けた。



「お前、軽すぎて、いるのかいねぇのかわかんねぇわ。」



そういって、村上はひょいっと立ち上がり、一礼してから駅を出た。


真っ暗な道を村上は歩く。


だけど、なぜか怖くはなかった。


というか、この背中は、どこよりも安心した。



「あ、村上、チャリは?」



そうだ。こいつ、チャリでここまで来たんだ。


あたしをおぶっている場合じゃないじゃん。



「ああ、ここに置いてく。明日取りに来ればいいし。」



そんなことをすらっと言って、一歩一歩ゆっくりと歩く村上。

そういえば、こいつ、武道かなにか、やってたのかな?

4頭身野郎を一発でノックアウトさせたくらいだし。