アイツ限定




「あ、こいつら、逮捕しといて下さい。このロン毛の奴なんて、ナイフもって脅してきたんで。

あ、あそこにナイフあるんで、証拠になりますよね。」



村上が隣であたしを支えながら、淡々と説明していく。


あたしは、ぼーっとする頭で、現場を見ていた。


あたしが倒した男たちが次々と警察官に運ばれていく。


そして、あたしの血が付いたナイフも、警察官は何かの入れ物に入れて、地面に着いたあたしの血をふき取る。


あたしの首のケガはというと、もう、血は止まっていた。



「あの…署までのご同行よろしいでしょうか。」



再び、あの若い警察官が、おどおどしながら質問してくる。


署まで……。

きっといろいろ質問されるんだろう。

今はとにかく家に帰ってゆっくり休みたかった。



「あの…明日でもいいですか?ちょっと、疲れているようなので。」



村上が、あたしの今の状態を理解してくれたのか、あたしの代わりにいろいろ受け答えしてくれる。




簡単な質問が終わり、あたしたちは帰ってもいいよと言われた。


あたしは、立ち上がろうと、足に力を入れるものの、力が入らない。


……立てない。