アイツ限定




「…ううぅ…っく…情けないよ…自分が…。っく…ひっく…ナイフくらいで…あたし…。」




そう、情けない。

自分が情けない。


あんな刃物一本で、身動きができなくなってしまった自分が情けない。


これじゃあ、あたしは、あのころを何も変わらないじゃん。


今までの努力は一体……。




「お前さ……何1人で戦おうとしてんだよ。……俺も守らせろよ。な?」



そういって、村上はあたしの手首を離して、優しく頭を撫でてくれた。



「……嬉しかった。あんたが…来てくれて…嬉しかった。」



「…当たり前だから。もう、安心しろ。俺が守るから。」



その言葉に、あたしの目からはあふれるほどの涙が流れ出す。


もう、あたしは1人じゃないんだ。

村上がいてくれる。

こんなにも、安心できる場所、今までなかった。




ありがとう。


今はまだ、恥ずかしくて言えないけどいつかいうから。

面と向かってちゃんというから。



あたしと一緒に居てくれて、ありがとうって。