アイツ限定




「……偉そうに……。」



「そりゃ、俺の大事な彼女だし、な?」



「…村上それ以上しゃべるな。」



だんだんと、自分の顔が赤くなっていくことがわかる。

言われなれていない言葉が、次々ととんできたからだ。



村上が、隣で鼻で笑ってくるのがわかる。



「あ…見てよ…。村上君笑ってるよ。」



「あたし、村上君の笑顔初めて見た。」



「やばい、あの笑顔キュン死にしそう……。」



廊下でとおりすがる女子が、そんな言葉を言っているのがあたしの耳に入る。

そして、一方では



「PGの松木男としゃべってるの初めて見た。」



「うわ…PGの松木と村上って…俺、あんな美男美女のコンビ見たことねぇぞ。」



「ってか…あいつら付き合ってるのか?」



「PGの松木って極度の男嫌いじゃなかったか?」



という、男子の声。