「あ、マリ!今日一緒に帰らない?ちょっと話したいことあるんだぁ~。」
7限目が終わった途端、千夏があたしに話しかけてくる。
村上とはもう、バスケの対決は終わったし、千夏にも聞きたいことあるから……。
「うん。じゃ、掃除あるから玄関にでも待ってて。」
あたしがそういうと、千夏は、わかった!と言って、笑ってくれた。
こんないい子が、なんでアポロンだなんて呼ばれてるんだろ。
あたしは、そんなことを考えながら、掃除場所へと向かう。
__ドンッ
誰かがいきなりあたしの背中を強く叩いた。
「……ったぁ~……。」
何なんだよ、いきなり……っ!
あたしは少し不機嫌になりながら、後ろを振り向いた。
「何しけた顔してんだよ。」
そこには、あたしを見下している村上の姿があった。
改めてみると、やっぱりこいつはでかい。
ってか、彼女の背中、おもいっきり叩く彼氏ってどうよ。


