アイツ限定




「……村上。」



あたしぼそっとつぶやいた。



「あ、マリ。ちょ、俺らもここで食っていい?俺サボってたし、教室入りづれぇんだよ。」



そういって、村上は躊躇なしに入ってきて、あたしの隣の席にすとんと座る。

そして、はぁ…とため息をついた。

もう一人の圭吾と呼ばれた奴は、明日香の隣にあった机をくるっと回転させて、村上の席にくっつけて座る。



「まさか、PGと弁当食えるとは思わなかったぜ。」



そういって、パンをほおばる圭吾という奴。



「マリ、大丈夫か?こいつ。鳥肌とかたたねぇ?」



そういって、隣の村上があたしに、耳打ちしてくる。



「まぁ……見ている分には大丈夫みたい。」



あたしはそういって、少し笑った。




「おい、聖也。聞こえたぞ。俺見て鳥肌なんて立つはずねぇだろ。この俺様が!

……あ、俺の名前は本田圭吾。よろしくな。」



そういって、本田は明日香狙いのようで、ニコッと明日香に微笑んだ。

明日香も、本田が気に入ったらしく微笑み返している。



「あ、そういえば、東出がお前のこと探してたぞ。聖也。」



本田は、思い出したように言う。