すると、あっという間に、夕方になり、3人で仲良く夕ご飯を食べて、テレビを見て寝る。


毎日、移ろいゆく景色が、あたしを飽きさせなかった。



ある日の、山菜取りの時だったと思う。


あたしはある、小さな紫色の花を見つけた。

とても綺麗で、可愛かったから、そばにいたばぁちゃんに、これは、なんて名前の花なの?って聞いたんだ。

そしたら、ばぁちゃんは、その花を見てにっこりと優しく笑った。



「これはね、菫って言うんだよ。ばぁちゃんは、この花が大好きなんだよ。この花の花言葉は”真実の愛”なんだ。」



あたしは、その”真実の愛”という言葉になぜか惹かれたのを覚えている。



「花言葉って……なんなの?」



幼いあたしは、思った質問をすぐさま、ばぁちゃんにぶつけた。



「そうだねぇ~……。ばぁちゃんもあんまりよく知らないんだが、簡単に言うと、その花の象徴というのがいいのかねぇ~……。

茉莉花には早すぎたかねぇ。」



「うんっと。なんとなくわかったよ。でもなんで、この花の花言葉は”真実の愛”なの?」



すると、ばぁちゃんは、あたしの顔を見て、優しく微笑んだ。



「菫にはね、とっても素敵な物語があるんだよ。茉莉花は、昔話は好きかい?」



「うんっ!おばぁちゃん、お話しして!」