side,黒鳥ゆりか

私の名前は黒鳥 百合香 【くろとり ゆりか】。



突然だが、私には自慢の彼氏がいる。


彼の名前は白川 隆 【しらかわ たかし】。


過保護良くをそそる愛らしい顔、優しげな瞳、甘えん坊な性格で誰にでも優しい好青年であり、そんな所に私は惹かれた。




そんな優しい隆にはある悩み事があったのだ。





そう。それは偶々、ある日暮れのファミレスでのことであった。





「ス、ストーカーっ⁉︎」



「バカッ! 声がでかいって!」




「ワリィ…」と申し訳なさそうに謝る青年は隆の幼馴染の宍戸 大和 【ししど やまと】。



「いや、気にすんな」



申し訳そうに謝る宍戸を見て、慌てて言う隆、やっぱり優しいな、隆は。


でも、そんな事は想ってる場合じゃなかった。



最近の隆は可笑しかった。

夜道に辺りをキョロキョロと警戒したり、携帯を開くたびに苦悶の表情に満ち溢れていた。



私は心配したが、彼は何時ものように大丈夫と、笑顔を振りまく。


それが余計に心配になり、せっかくの休日に二人きっりで居たのに、隆はまた、携帯を開き、私を置いて部屋に出て行ったのだ。


文句を言おうとしたが、もしや浮気かと心配した私は隆には悪いが後をつけさせてもらった。



それにしても、ストーカーがいたなんて……隆は誰にでもとにかく優しい、そこが素敵なところだけど…ダメね。
勘違いをする娘が多くて、説得するのも大変だったわ。



「それで、いつからなんだ」


宍戸の言葉に我に返った私は耳を傾ける。


ちなみに私は今、隆の真後ろの席に座っている。


ゴメンね、隆……後で謝るからね。



罪悪感の中、私は意識を二人の会話に集中する。