「け、契約…?」
「そうです。私の暇つぶしに付き合って貰えませんか?
Yesと言うなら、私が貴方を生き返らせてあげましょう」
優しく微笑みながら、手を伸ばす男性。
「い、生きる…」
「えぇ、貴方がこれから私のモノになるなら」
戸惑う真帆に男性は優しく微笑む。
「い、生きたい…私、まだ…生きたいよ」
真帆の頭の中には、優しいお母さん。無口だけど素敵なお父さんが浮かび、真帆は男性の手を掴む。
男性はとても嬉しそうに、微笑み、告げる。
「契約完了です。」
手を握る真帆はふと、ある事に気づく。
「あなたはだれ?」
「おや、そう言えば言っていませんでしたね。私は…」
……………………
先生ッ! 患者の容態が回復しましたっ!
なにっ!
本当だ。奇跡だ…!
……………………。
名前を聞こうとした瞬間、真帆は目を覚ました。
「真帆っ!」
「お、お母さん、お父さん」
泣きじゃくる百合と一安心する誠一郎が立っていた。
「これは本当に奇跡ですよ」
医師にお礼を言葉を述べる両親に対して、真帆はベット上で男性の言葉を思い出した。
「私の名前は死神。ただそれだけです」
