未設定

教室に着くと。
「希純?!大丈夫だったの?!」
と全力で心配してくれる親友の遠藤葵。
「どこ行ってたのー…」
葵は涙ぐみながら心配してくれた。
嬉しいけど、本当何もなすぎて笑えるくらいだからね。
「体育館裏で壁に喋り掛ける切ない男の子見てきた」
「…ん?」
ちょっと淡々と喋りすぎたか。
葵には理解できてないみたいなので…。
面倒だけど、親友のためだと思えばなんでもない。
「体育館裏に連れて行かれてね、付き合えって言われて断ったら壁に押さえつけられてね、」
「くそぉぉぉぉぉあのクソ男め」
「聞いてよこの先が面白いんだから!それでね、そいつの左腕の下が空いてたからそこからすり抜けてから、立ち去ろうとした瞬間にね、」
葵は必死に首を振ってうんうんと頷いてくれている。
「…あいつ私がまだ腕の中にいると思ったのか知らないけど、一人で壁に向かって、こうしちゃうぞ、とか言ってるの~」
私はお腹を抱えて一人で爆笑していた。
現場で笑えなかった分も。