「相原希純(あいはらきすみ)ってこのクラスだよな?」
4限目が終わった瞬間に私の教室で私の名前を呼んでいる、誰か。
…あんな人知らないよ、どうしよう。
向こうが私のこと知ってるのに私は知らないなんて、ちょっと失礼だよね?
まぁ、いいか。
私が知らないってことは、向こうが勝手に知ったってことだよね。
…そう思おう。
「…はーい」
私が小さく返事をした瞬間、クラスの皆がサッと黙り込んだ。
ズカズカと歩み寄ってくる、誰か。
「初めましてーでいいんですかね…?」
一応私としたら初めてだし。
「おう。初めまして。ちょっと、悪いけど着いてきてくんねぇ?」
なんで?
面倒臭い…。