1年半前の夜、俺はあの女に会った。 あいつの本名は誰も知らない。 ただ、誰もが一度見たら忘れられない程の美貌だった。 170ぐらいの華奢な身体に透き通ったような染みひとつない白い肌には黒い刺青がびっしりと彫ってある。 白に近い金髪は胸辺りまで伸びている。 だが、誰もその女の顔を見たことがない。 その女は "金狼" と呼ばれている。