やがてお腹が満たされて、酔いが回って心地よい気分。動けなくなる前にと、片付けを始めた。
キッチンで洗い物していると、彼が体を寄り添わせてくる。腰を抱いてもたれかかってくるけど、ちょっと邪魔。
ついには肩に顎を載せて、首筋に唇を触れた。顔を埋めて唇を押し当てて、ゆっくりと甘噛みしながらなぞり始める。
「もうすぐ終わるから」
と言って振り向いたら、彼が軽く頬にキスをした。名残惜しそうに手を離して、彼が目を細める。
そんな顔を見てたら、私からすがりついてしまいそう。
洗い物を終えて、テレビを観ている彼の元へ。ソファに座る彼の後ろから、ぎゅっとしがみつきたい。
悩んでいると、彼が振り向いて腕を広げた。彼の隣に座って、肩を抱き寄せられて。とろんとした気分になってしまう。
「月曜日はごめん、迷惑かけて。どうしても我慢できなかった」
「いいよ、嬉しかったから」
「何か言われなかった? 怒られてない?」
「私は大丈夫、橘さんこそ何もなかった?」
「うん、平気。実はさ……、陽香里に話さなきゃいけないことがあるんだ」
どくんと胸の鼓動が音を立てたのを感じた。覚悟はできていたはずなのに、動揺してしまう。

