君と夢見るエクスプレス


でも、いいんだ。
そんな言葉なんて要らない。



彼の気持ちに偽りはないと信じてるし、私が彼を思う気持ちも本物だから。



「ありがとう、陽香里は橘さんからは? 何か言われたの?」
「うん、私からも伝えるつもり。今度の金曜日、定時後に会う約束なの」
「そうなんだ……、頑張りなよ、応援してるから」
「もちろん、頑張るよ」



こんな話をして二人で笑い合えるって、幸せかもしれない。笑いながら話しながら、箸も進んで楽しい。



「だけど鶴井先輩には申し訳なかったなあ……、せっかく声かけてくれたのに」
「仕方ないよ、鶴井先輩も喜んでくれてるって」
「そうかな……、うん、そうだね」



鶴井先輩はなかなかくっつくことのできない二人に、きっかけを用意してくれようとしてたんだ。そんな二人がくっついたんだから、鶴井先輩も喜んでくれるはず。



だけど、人数の穴埋めはどうするんだろう?



疑問は残るけど、口に出すのはやめた。これ以上、美波が心配したら困るから。