彼の意図がわからないまま会議室へ。
今日の段取りを確認した結果、外出は中止となった。他部門との打合せが詰まっていて、時間が長引く可能性もあるとの笠子主任の判断だ。
姫野さんはちょっとだけ勝ち誇ったような顔をしているのに、彼は悠々として気にしない様子。外出なんて話題は元々無かったことだから、気にも留めていないのだろう。
やっぱり、よくわからない。
すぐに他部門を交えての打合せが始まった。
白熱する議論の中心には姫野さん。
そんな姫野さんの熱を冷まそうとしているのか、油を注いでいるのかわからないのが橘さん。
他部門への情報提供と擦り合わせのはずが、企画開発室内の分裂に思えるような状況へと発展することもしばしば。
笠子主任が二人を鎮めるという展開に、私まで疲れてしまう。ただ議論を聴いているだけで、メモを取るだけだというのに。
だけど、違和感を覚えてしまうのは何故だろう。
熱くなってるのは姫野さんと、他部門の人たちだけに見えてしまう。
橘さんと笠子主任の落ち着きはいつものことだけど、やたら客観的なように思えるのは気のせい?

