「合コン、よかったら友達も……、って鶴井先輩が言ってくれてるし」
「いいってば、気持ちはありがたいけど今はいいよ、ひとりで行っておいでよ」
誘ってくれるのは、非常にありがたいけれど。鶴井先輩が私に声をかけてくれるということは、私に彼氏がいないことを知っているから。
いや、きっと美波が暴露しているんだろう。本当のこととはいえ、少し恥ずかしくなってしまう。
美波が首を傾げて、未だに怪しんでる。そこまでして、私を合コンに巻き込みたいの?
「本当に? もしかして、好きな人がいるの?」
「いないよ、どうしてそんなこと聞くの?」
「あの人は? 新しく来た橘さんは?」
「へ?」
今度はテーブルについていた肘が、ずるりと滑り落ちてしまった。
なんだか今日の美波は、しつこい。
私に話題を振ることで、自分のことから話を逸らそうとしているのかもしれない。間髪入れずに質問を投げかけてくる。

