月曜日の朝っぱらから、何か厄介な事でもあったのだろうか。
大変そうだな、と私は完全に他人事。
既に事務所には企画開発室のメンバーが揃って、黙々と仕事を始めている。朝礼の事を告げると、皆はわかっていたという様子で軽い返事。
そうか、阪井室長は出て行く際に皆にも同じことを言ってたんだろう。
だったら、私に言わないでよ。私が言わなくてもよかったんじゃない。モヤモヤした気持ちで席に着いた。
モニターを見つめながらメールのチェック。先週の金曜日は定時退社したから、メールが結構溜まっている。私宛のメールなんて、『To.』よりも『Cc.』の方が圧倒的に多い。『To.』には笠子主任、『Cc.』には私というパターンだ。
笠子主任は直属の上司、同じプロジェクトの仕事をしているから私にも写しをというのは当然だけど。わざわざ送ってもらわなくてもいいよ。なんて思ってしまう。
さらっとメールに目を通し終えた頃、室長と主任が戻ってきた。
二人の後ろにはもうひとり、誰か居る。
思わず声を上げそうになった。
間違いない、さっきの電車での恥ずかしい彼だ。
どうして、こんな所に居るの?

