出来が悪いキノコ【短】



――――……


 やはり私にカサを切ることなんかできやしない。


 このしわしわのカサ、包丁から手に伝わる感触。これはまるで、あの日切った母の肌みたい。


 私は親孝行が出来たのだろうか。



 そんな事を思いながら、開いた窓から漂ってくる家庭菜園の土のにおいに目を細めた。



 昨年とは違う、母のにおいがした。



 再び流れ出したニュースに、私はまた体を震わせた。