翌週の月曜日──
普段と変わらない月曜日。
私たち以外には、変わり映えのない晴天の日。

もうすっかり初夏と呼べる日差しを受けながら、自転車のペダルを踏み込む。
あの夜がちょうど金曜日だったこともあり、あの日以来初めて支店に向かう。

ぶっちゃけ、不安でいっぱいだ。
あの金崎さんの性格を考えると、誰に根回しして、どんなに悪質な嫌がらせが仕組んであるのか・・・考えただけでも胃が痛くなる。

でも、後悔はない。
足は震えるけど、私は大丈夫だ。

なにより、穂波の見立てだと今日からは潮目が変わる。
寺前酒販の株価が、今日からは上昇するハズだ。
みんなに笑顔が戻り、またみんながツマラナイ雑談で盛り上がれるでのならば──そう思うだけで、アスファルトに向いていた顔が青空を見上げる。


「おはようございます」

グッとお腹に力を入れてドアを開いた私は、いつもと変わらない風景に拍子抜けした。誰も私を意識することなく、いつもの様に開店の準備を進めている。

あ、あれ?

店内をキョロキョロと見回すものの、誰からもイヤミの1つも言われないまま自分の席に到着する。
・・・変だ。
あの金崎さんが、仕返しをしないなんておかしい。

「おーい、そろそろ朝礼始めるぞ」
大きな声が響き、支店長の席を中心に全行員が集まる。