そして、3か月がたった。
夏の始まりかけた頃である。

「なんかさークラスの男子って
 なんで、あんなデリカシーないんだろうね。
 対して顔もよくないくせに、ほんとよくわかんないや!」

 ちかこは最近、男子の愚痴ばかり。
彼氏とは相変わらず喧嘩ばかりみたいだけど、
でも仲良くやっているらしい。
今日も、あの喫茶店でガールズトーク。

「みさは最近どうなの?」

「んー、、ちょっと気になる人がいる…かも。。」
 
 恥ずかしくなって、メロンソーダ―をすすった。


「え!?
 まじ!?森崎君とか!?」

「違うよー、森崎君とは友達。
 ちかこ前、森崎君が私のこと気になってるって言ってたけど、
 あたしたち全然そんな仲じゃないからね!」

「えー、何言ってんの、そうなんだから、絶対!
 で、誰なのー?」

「えー?」
 私は笑う。
心から。

「岡本くん…かな。」
 
 ちかこは、一回手をたたくと、人差し指であたしを指した。
彼女がこの動作をするときは、共感してくれている証拠だ。

「岡本くんね、はいはい!
 どうゆうところが気に入ったの?」
 

「なんていうか、男子って女子のこと悪くいったりするけど、
 そういうの全然言わないし、面白いし。。
 そういうところに惹かれちゃったんだよね……。」
 
 照れ隠しのために、メロンソーダ―をもう一度飲んだ。

そばに岡本君がいないかと、思わずあたりを見回してしまう。

いなくて、少しがっかり、
少し安堵…みたいな、、

「まぁ確かにね、いいとは思うけどー。
 あたしは森崎君派だから!」

 ちかこは、にたにたと目をほころばしながら、
オレンジジュースを飲んだ。


 いつものように、7時に帰宅。
疲れているからそのままお風呂に入った。
ゆっくり湯船につかる。

「ふぅ~」
 こんな風に。

頭に浮かんだのは二人の男性。

一人は岡本君。
明日は話せるかなーとか、そんな感じ。

もう一人は、消えそうで消えないあの人だった。