【りつきver.】
同窓会の後―…
「りつき、どうだったんだよ、みさは?」
東条が唐揚げを食べながら、俺に近づいてきた。
離れたところで、
椅子に一人腰かけている俺を気遣って来てくれたらしい。
「あー、、だめだった。」
彼女とは2年前に別れた。
一重に俺のわがままだ。
彼女と別れて、いろんな人に出会い、
それなりに片思いもしたけれど俺の心のどこかには、彼女がいた。
俺がふったはずの彼女が。
俺の中で彼女は、常に笑っているイメージ。
でも、おんなじくらいよく泣く。
泣いて泣いて。
怒って怒って。
彼女は、俺を精一杯愛してくれていた素敵な人だった。
あの時、俺がもし忙しくなかったら、
まだ続いていたんだろうか。
あの日、部活がなかったら、まだ続いていたんだろうか。
あの日、俺が寝ていたら、まだ続いていたんだろうか。
あの日、
あの日、
あの日……。
あの日が重なって、俺の中でぐるぐる回る。
「みさ、いい女になったなー。
なったなーじゃねーか。」
俺は、自分の髪をかきむしる。
染めたばかりの髪を。
「フラれておかしくなったのかよ、りつき。」
「あー、いい女だよ、昔から。
あー、あの頃に戻りて―!」
青春は二度と戻らない。
だからこそ、素敵な青春を。
綺麗なアオハルを描いてほしい。