「……おはよう、ぴょん吉」 毎朝欠かさないぬいぐるみへのあいさつ。 始めたのは幼稚園くらいからだったっけ。 「……私ね、今日先輩に告白してくる。それで、フラれてくる」 “頑張って” そんな声が、ぴょん吉から聞こえた気がした。 「じゃあ今日の練習はここまで。各自また明日から個人練習しておいて」 パートリーダーの人の指示でみんなが楽器を片付け始める。 「た、立花先輩」 「遥子、どうした?」 「後で少し、お話いいですか?」