↳ Negro



―――――――――――――


ガチャ…



「あ、ひろっちおっせぇわ!待ちくたびれたやん」



ドアを開けるとすぐさま煩い健の声が頭に響く



とうの遅刻した本人である弘樹はまったく反省してない様子だが。





「で?会議ってなんだ?」



健の言葉を華麗にスルーした弘樹は



ソファにすわりながら玲斗に問う



玲斗は「あぁ…」と言って



持っていた珈琲を置きPCをテーブルにおいた


どうやら、ニュースらしい。



〈最近、××市で不良グループがボコボコになって発見されると言う事件が多々あります。〉



感情が籠ってなさそうな声でニュースキャスターの女の人が言う



××市…ここの近くだ。



「××市って、確か下龍(カリュウ)の縄張りだったよな?」


柊斗が確かめるように玲斗に言う



下龍とは、世界№3の暴走族だ。


鉄パイプやらナイフやら平気で使う卑怯な連中として、有名である


噂では、薬にも手を出してるらしい


玲斗はしずかに頷く