「でも立花、お前好きな人いるだろ?」 とっさに佐野くんの顔が頭に浮かんだ。 私、どれだけ佐野くんのこと好きなんだろう。 「いないです」 そう冷たく答える。とすぐに、時津先生のため息が聞こえた。 「お前のこと狙ってるやつ、結構いるぞ?」 「はっ……?」 思わず時津先生の方に振り向く。 「ここに来るチャラ男どもがよく言うんだよ。 本命は立花ゆめだってな」 あんまり男子と関わりのない私。 そんなことを陰で言われてるなんて。 時津先生の言葉を信じられなかった。