実は。 保健室には行きたくない。 なぜなら――――…… 「立花、また来たのかよ。 俺が好きなんだな」 保健医の時津悠(トキツハルカ)先生がいるからだ。 「少しここで休ませてもらってもいいですか?」 時津先生の言葉は無視してそう聞くと、先生はいかにも不機嫌そうな表情を浮かべ、小さく舌打ちをした。 先生は眼鏡を指でクイッと持ち上げる。 「テキトーにベッドに寝て」 そう素っ気なく答えられて、何この先生、と少しだけ時津先生を睨んだ。