「ていうかさ、立花…」 「ん?」 真っ直ぐ私を見つめる佐野くん。 顔が熱くなっていく。 な、なに――――? 「うしろ髪、寝癖ついてるよ?」 「………えっ!?」 さっきから私、おかしいことばかり。 最悪だ。 朝、ちゃんとセットしておくべきだった。 私の髪は中途半端に長くて、胸下まである。 面倒くさがるのはもうやめにしなきゃ。