若葉ちゃんは2ーBの教室のドアを何のためらいもなく開けた。 「土岡くん、いるー?」 若葉ちゃんがそう言うと、中から「いるよー」という女子の声が聞こえた。 その10秒後くらいに教室から出てきた純くんと、 佐野くん。 「なあ、若葉。土岡って呼んだろ、今」 不満そうにそう呟く純くん。 「あんた土岡って名字でしょ。何がいけないのよ」 冷たく答える若葉ちゃん。 「いやー、純って呼んでほしかった」 いつもの光景だ。