「うん、またね」 私はちょっとだけ笑ってみせた。 「またな、立花」 去っていく佐野くん。 …名前、知っててくれた。 それだけでこんなに嬉しいのは、変かな? 「若葉ちゃんたち、探そっと」 私は若葉ちゃんたちが向かった方向へ歩き出した。 「アイツが立花 ゆめ………か」 まさか、陰で誰かが私たちを見ていたなんて、このときは知る由ももなかった―――……