私のファーストキスは和泉くんに奪われてしまった。 でも、嫌な気持ちがしない。 ………佐野くんだけを見ていようって、決めたのに。 避けてる間も、和泉くんのことで頭がいっぱいだった。 …和泉くんはきっと私のことなんて何とも思ってないのに。 まだ知り合って少ししか経ってないのに。 期待してしまう自分が恥ずかしい。 「なに、あれ…」 ―――――そして、私と和泉くんのやりとりを陰で見ていた人がいたなんて、 このときの私はまだ、知るよしもなかった。