「わ、私、用事あるから帰るね」 そう言って、逃げるように和泉くんの横を歩いた瞬間。 カクン、と私の体が止まる。 右腕を和泉くんに掴まれていた。 「まだ話は終わってない」 ぐっと体を引き寄せられる。 触れていなくても、和泉くんの体温が伝わってきそうなくらい近くなった。 顔が熱い。 私、ドキドキしてる―――――? 「腕…離して」 「嫌だ」 「離して」 「嫌だっつってんだろ」