「命令通り、ちゃんといたな」



教室に入ってきた和泉くん。



目を合わせることが、できない。



「ゆめ」



「な、なに?」



「何で俺を避けるんだ?」


「……それは…」



声が震える。



言えないよ、本当のこと。



言えるはずない。




「避けてなんかない…」



「じゃあなんで今も目を合わせようとしないんだよ?」



和泉くんがこちらに向かって数歩歩いた。



一気に縮まる距離。