「………奪う」



「あ?」



「俺……っ…土岡から若葉ちゃんを奪い取る…!」



こいつは馬鹿なのかもしれない。



「いや、そこ普通は諦めるとこだろ」



「普通は、だろ?


俺は普通なんて知らない!

好きなのは変えられない……もう諦めるなんてできねえよ!」



俺の知らない間に、圭がここまで手島を思っていたとは…



気付けなかった俺は親友失格だ。



「わかったよ。


恋のキューピッド様として、お前の恋を応援してやる」



俺の言葉に、圭はまた泣き始めた。