恋のキューピッドくん




「ねえ、今日の放課後、二人でどこかいかない?」



「……行かない」



用事もないのに断るのは悪いと思った。



でも、今はそんな気分にはなれなかった。



「えっ……めずらしいね、和泉が断るなんて」



「だな」



俺がそう答えると、女子はしゅんと肩を落として去っていった。



「……さっきの、青木ってやつさ、化粧濃くて気持ち悪くないか?」



圭が顔をしかめながら聞いてきた。



「自分誘われなかったからっていじけんなよ」



と、俺は圭の目を見てニヤリと笑ってやった。