恋のキューピッドくん




「好きではなくても、気にはなってんだろ」



「気にはなってるよ。


………俺もまだわかんねえんだよ…っ」



でも、あいつには佐野がいて、俺は応援しなきゃいけない立場。



俺は恋という恋をしたことがないから。





そんな俺が"恋のキューピッド様"やってるなんて。


改めて、俺は何やってんだ、と笑った。




「和泉っ」



突然俺に声をかけてきたのは、同じクラスの女子だった。



名前は知らないけど。