朝。 机に座って、教科書やノートを鞄から取り出していると、 「ゆめ」 と、後ろのドアから和泉くんに呼ばれた。 私はすぐ和泉くんの方に向かう。 「どうしたの? 今日は早いんだね」 まだ登校している生徒は少なくて、廊下はしーんとしていた。 「そりゃあ、気になるよ。 昨日の保健室でのアレ、見ちゃったもんだしさあ」 意地悪な笑みを浮かべる和泉くん。