『文化祭一日目』

(麗)

合唱コンクールで私たちのクラスは堂々の一位に輝いた。


その日の放課後は、明日のクラスの出し物の準備で、夜遅くまで作業をしていた。


瑞「あー、段ボール足りないじゃん。」

麗「あたし取ってくるよ!」


私は取りに行ったのはいいものの、
もうすでに外は真っ暗なうえに、

段ボールを山積みに抱えて足元が見えない。


どーしよー・・・、

持っていけるかな・・・


「あっ!!」

イッターい・・・つまずいちゃった・・・。



しゃがみこんでいる私を見つけて、
一人の男の子が走ってきた。


「大丈夫!?手伝うよ!」


「あっ、ありがとうございます!」


初めは暗くてよく見えなかったけど、

立ち上がると蛍光灯の光で彼の顔がはっきり見えた。


・・・うわぁ、かっこいい・・・。


綺麗な顔立ちで、大人っぽくて、
そして背が高い。

・・・

「・・・もしかして川島ちゃん?」


「・・・へ?」


「今日ピアノ弾いてたよね?」


「・・・あっ、はい!そうです!」


「上手だね、ピアノ。」


ニコッと笑う顔もすごく爽やかで格好いい。


「教室まで手伝うよ。」


「・・・っえ?いや、大丈夫ですよ!」


その人は段ボールを抱えるとさっさと歩きだした。


そして教室の前で私に段ボールを渡すと、


「じゃ、また明日、ミスコンで。」

といって私の頭をポンポンと撫でて戻っていった。


・・・っん?

・・・ミスコン?