「・・・ちょっ、腕痛いです。」


俺は麗の腕を思いっきり掴んでいた。

「あっ・・・」

・・・

「・・・あの、・・・誰ですか?」


俺が振り向くと、麗は驚くのと同時に気まずそうな顔をした。


「・・・あっ、・・・健人!久しぶりだね!
全然気づかなかったよー!
てか、身長伸びた?180くらい?」

・・・

「・・・そうじゃないだろ。」


また気まずそうな顔をする。


「・・・っていうかさ、同じ高校になるなんて奇遇だね!思ってもみなかったよ!」


「・・・ふざけるなよ」


「・・・」


「・・・俺がどんな気持ちで今まで、」


「・・・。」


「・・・ 、やっぱいい。」


俺には、麗を待ってたなんて言える資格ないんだった。


俺こそ麗を裏切ったんだ。


下を向いたままの麗を残して、俺はその場から離れた。