そして、1時間目の時間が終わり、教室に戻った。
教室にもどると、教室は静まり返っていた。
「な、なに?」
教室には、姫実が。
そして、愛梨が。
二人睨み合いをしていた。
周りの人は皆端によけて見守っている。
「ちょ…なにして…」
止めようとしたそのとき、姫実が愛梨に飛びかかった。
キャアアアアアアアアアアアッ!!
教室に悲鳴が響きわたった。
だって、……………倒れた愛梨の腹部には赤い血が……………ついていたから……………。
「あ、あ、あ、あ、………愛梨ちゃ……………」
私の後ろで美香はカタカタと、小刻みに震えている。
「き、救急車!救急車よ!!!」
とっさに、そう叫んだ。
委員長が、急いで電話をかけて、血のついた刃物を持って立っている放心状態の姫実を男子が抑えた。
私と、何人かの女子は愛梨の応急処置をする。
美香と、雄大は、急いで、先生達を呼びに行った。
教室中が、軽いパニックを起こしている。
ただの、殴り合いではない。
命にかかわることなのだから。
「ど、どーしたらいいの…」
応急処置をすると言っても、止血をするだけで精一杯。
刻々と時間は過ぎていく。
どうしよう。
このままじゃ…………。
ガラッ
勢いよく、ドアを開けて入ってきたのは、保健室の先生だった。
その後からも続々と先生達は入ってきた。
「怪我人は?!!」
「あ、ここです!!」
先生は、愛梨の腹部を抑えてなるべく血が出ないようにしている。