「ここだよね」
愛梨の家に着いた。
小学生のとき、一度だけ愛梨の家に来たことがあった。
本当に一度だけ。
しかも、中には入らず玄関での立ち話。
べつに、不思議には思わなかった。
今思えば怪しいんだけど。
だから、道は覚えてた。
印象的な屋根の色や、路上の形。
小学生の私にはすぐインプットされた。
だから、こういう時役立つのね。
まさか、二度も愛梨の家にくるとは思ってもいなかったけど。
しかも、このメンツで。
「どうする?どこに隠れる?」
そうだ。
隠れ場所が必要なんだ。
しかも、バレないとこでなおかつ家の状況が把握できる場所…。
幸い、愛梨の家は他にも周りに家がたくさんある。
だから、家と家との間に身をひそめるのもありかも…?