「歩香里、これ」
姫実は歩香里のとこに行ってスマホを渡した。
歩香里以外の安全地帯の奴らはビクビク怯えている。
歩香里は、ランク付けをされても純粋に姫実という幼なじみを大切な人と思ってるんじゃないのか…な?
姫実を見る目が優しい。
そういえば、何回か姫実を一緒に帰ろうと誘っていたとこを見た。
断られてたけど。
姫実にもプライドあんのかね?
「あ、写メね。わかった!」
「ん。」
歩香里は、まるで幼なじみなんだからいつでも頼ってというような眼差しで姫実を見ているみたい。
…………てことは、姫実は無理してんじゃ………
「じゃあ、撮りますよ」
「あ、悠梨!悠梨は、主役だから真ん中ね♡」
そういって、私を真ん中に入れられる。
あーなんか、パンダ集団の一員になったみたいで………嫌だ。
パシャッ
「歩香里、もーいいよ」
「あ、うん!」
冷たくそういった姫実は自分のスマホを満足そうに見つめている。
続けて他のパンダ集団もそのスマホに集っていく。
私はというと、歩香里に話を聞こうかと思っているところだ。
「皆、写メLINEでおくるぅー♪悠梨もねっ」
「別にいら………」
別にいらない。
そういおうとした時だった。
ガラッと教室のドアが開いて入ってきたのは。
「………だ、だれ、あれ」
美香だった。