「架鈴。あんたが高いだけやよ」

ため息混じりで言う。

「これが普通なーのだー♪」

あー……架鈴ワールドだ……。


私もそのうち架鈴色に染まるだろう……


そんな事考えながら歩く。




階段を上がっていると部活の話になっていた。


「紫音はなに入んのー?」

「…美術部」

「嘘やん…一緒にバド部入らん?」


バド部とはバドミントン部のこと。

バド部は毎年入る人数が多く、そのせいでよくもめ事が起こりやすい部活だと有名。


もめ事はめんどくさい。


「ごめん。入らんよ」

それを聞いた架鈴はなにやらぶつぶつ文句を言いながら教室に入った。


実は…

それだけじゃないんだぁ……

私は運動が大の苦手。


動きたくないので静かな美術部にしようと思った事と、


……昔、先生に言われた事。