階段をかけ上がる。 息を切らしながら、一歩一歩しっかりと階段を上って屋上へ向かう。 「…はぁっ……… っよし…!」 屋上のドアの前。 私は意気込んで重いドアを開けた。 ギイィィ… 「! 咲希…?」 「俊…!」 やっぱり、屋上にいた。 風がびゅうっ…と吹いて、髪がふわっとなびく。 「どうした?」 そう私に声をかける俊の声は、なんだか落ち着いていた。 でも、その影には心配しているような感じもした。 「あのね?宏のこと、なんだけど…」