肩に顔をうずめている蒼は今にも消えそうで、ただいなくなったりしないように抱きしめているのが精一杯で。
この感じからすると、過去に何かしらあったのがわかる。
私にも、消したいのがあるから。
けれど、私は忘れたら……
「ねぇ、蒼。私はあんたの過去は興味ない。けどさ」
泣いている蒼は、きっと今のままじゃずっと同じことを繰り返す。
背中を押したり、力になってあげられるわけでもない。
けれど、“あの人たち”ならきっと放っておいたりしない。