速くて重い拳は私の頭上の空気を揺らす。
私は体勢をそのままに、足を払おうとするも、軽く跳ね、かわされる。
汐弥の今の肩書きは、雛菊組系総元雛菊組長、雛菊 汐弥。
若くして組頭を勤め、系列をまとめている。
それなりの実力ありきの肩書き。
でも、私だって抜けた身とはいえ、本家の者。
昔から汐弥と同じことをしてきた。
よけた拳の腕をよけて背負い投げるも、体を打つことなく足で立たれ、逆に投げられるが、背中の上で体勢を変え、着地する。
そこから蹴りを入れると、体勢の崩した汐弥はよけられず、もろに入る。
感覚的に、肋骨を数本折った。