「お嬢を出迎えとの命令ですので」
「知ってる」
間髪入れずにそいつの前を通り過ぎる。
驚いて、もう一度なんのつもりだと言ってやったほうが嬉しかったかな。
でも、面倒だからいいや。
「何、あんたら」
「出迎えろとの命令ですので」
今度は男が間髪入れずに私の前に立ち塞がる。
それも、立ち並んでいた男全員。
「僭越ながら、お相手をして頂けないかと」
口調こそ至極丁寧なものの、関節を鳴らし、首を鳴らし、こめかみに青筋を入れる。
「いいよ、相手にしてあげる。でも、うっかり殺しちゃうかもよ?まぁ、死にたくなければ、全力で私を殺しに来てね」