こんな小さな世界にとらわれていたなんて、吐き気がするよ。
固く閉ざされた門に手を当て、少し押してやればすんなりと開く。
別にこれに閂はないから、入るのって難しくないんだよね。
中に入ると、ずらりと立ち並び、一様に頭を垂れている。
「なんのつもり……?」
大方予想はつくものの、それでもここに立たされているんだ。
訊いてあげなきゃ、無駄な徒労になってしまう。
男の一人がそのままの姿勢で、つまりは90度に綺麗にも腰から曲がった状態で応える。