どこまでも真っ直ぐな目。
こいつ、棗が好きなのか?
こいつ……狼嵐の連中はどうやら棗から何も聞かされていないらしい。
つまり、信用されていないし、頼られてもいない。
俺的には教えて死んでもらって大いに構わないけれど、それじゃあ棗が悲しむかもしれない。
棗を泣かすわけにはいかない。
「弱いくせに、棗をどうこうしようってか?笑わせんな。……棗は俺たちの姫だ。誰が言うか」
正確には姫ではなく、総長だけど、でも、あながち間違いじゃない。
俺たちは棗を姫だと思っている。
だから、あいつが泣くのなら、泣かした奴を潰してやる。